パン屋キィニョンのパンができるまで
2017.06.15
立川市に位置し、外観からはパンを製造しているとは想像もつかない
通称立川工房。
ここから、キィニョンの「パン」が各店舗へ運ばれて行きます。
まだ朝とは呼べない
丑三つ時
午前2時から、どんどんパンを焼き始めます……。
「リスドォル・カメリア・ブリザードイノーバー・ビリオン……」
これ全部、小麦粉の種類。それぞれ、個性の違う小麦をベストなバランスで配合していく。
1日に約500kg分の小麦粉を使い、
パンとスコーンを仕込んでいきます。
毎朝大量の生地を仕込み、寝かせ、起こし、分割し…
多くのパンは「長時間低温熟成製法」という方法で作られていて、低温でじっくり熟成させる事でアミノ酸という名のうまみ成分がじわじわ〜と増えていき、味に深みのある生地ができあがります。
この製法で材料や配合をかえながら「フランス生地」「ヴァイツェン生地」「惣菜パンの生地」「クロワッサン生地」になっていきます。
静かな工房内には次々に焼き上がりを知らせるオーブンの音と
カタン カタンというわずかな分割の音が聞こえてくるだけ。
キィニョン一番人気の「キィニョン食パン」は湯種製法で作られています。小麦粉に80℃の湯を注ぎ入れてこね上げ、α化させた後一晩寝かせると“もちもちの元”湯種の出来上がり。
翌日、湯種と本捏ねの材料を大きな大きなミキサーで仕上げます。
そして、発酵という眠りにつきます。
眠りから覚めたあと、分割・成型された生地は
ぷっくりと弾力があって、
と〜ってもいい気持ち!!
赤ちゃんのほっぺみたいです。
ガス抜きと成型に一役かってくれる強力な助っ人「モルダー」に生地を流し、
最終的に食パン型へ
収まった生地は再び発酵し、焼かれる時を待ちわびます
一日に432斤
次々と焼き上げられ、
各店と卸先に出荷されていきます。
この製法は扱いが難しく一筋縄ではいきませんが、翌日も“もちもち”“しっとり”が持続し、朝食用のパンにおすすめ!なのです。
キィニョンでは素材を生かしたパン作りを心がけています。
パンのはじっこが大好きなシェフがつくる焼き込んだパンは粉の香り、甘みがあるパンになる。
「パンがあると、うれしいことがひとつふえる」
そう信じて、毎日パンやスコーンを焼いています。